絵本『どうぞのいす』は、世代を超えて愛され続ける名作です。
本記事では、この絵本がどの年齢の子どもに最適なのか、そして作者が込めた深い教育的ねらいについて掘り下げていきます。
「どうぞのいす」ってどんな絵本?
「どうぞのいす」は、シンプルながらも心温まる物語で、子どもたちにとって大切な教訓を教えてくれます。
この絵本は子どもたちの想像力と共感力を育み、その独特な文体と鮮やかなイラストで多くの家庭に愛されています。
絵本の概要
題名 | どうぞのいす |
著者名 | 香山 美子 |
絵 | 柿本 幸造 |
出版社 | ひさかたチャイルド |
ページ数 | 32ページ |
発売日 | 1981年10月31日 |
「どうぞのいす」は、うさぎが椅子を作ることから始まります。
うさぎ、ろば、くま、きつね、りすといったキャラクターたちが登場し、一つの椅子から始まる心温まる物語を描いています。
この絵本は、思いやりや共感といった大切な価値を子どもたちに伝えます。
対象年齢と読み聞かせの効果
「どうぞのいす」は特に3歳から5歳の子どもにおすすめされています。
この時期の子どもたちは、言葉の理解が深まり、他者との関係性をより豊かに感じ始める大切な時期。
「どうぞのいす」の絵本を通じて、共感や思いやりの心を育む絶好のチャンスです。
「どうぞのいす」の教育的なねらい
思いやりと共感
この絵本は、ただ楽しいだけでなく、子どもたちが日々の生活の中で直面するさまざまな感情や状況について考えるきっかけを提供します。
物語を通じて、自分の幸せを他者と分かち合うことの大切さを伝えることが、深いねらいだと思います。
「どうぞのいす」の登場人物から学ぶ大切な価値
「どうぞのいす」には、うさぎ、ろば、くま、きつね、りす
という、かわいらしくて優しいタッチで描かれた動物たちが順番に登場します。
それぞれのキャラクターは、物語を通じて、思いやり、共有、友情といった価値を象徴しています。
うさぎ
絵本の表紙にもある物語の始まりを告げるうさぎは、優しさと歓迎の精神の象徴です。
自ら作ったいすを「どうぞのいす」として提供する行為から、与える喜びと他者を思いやる心の大切さを学びます。
ろば
自分の持っていたドングリのカゴをいすに置いて昼寝をします。
ろばの姿は日常生活の中で小さな優しさを見つけ出し、それを実践することの価値を教えてくれます。
くま
くまは物語における力とやさしさの両面を示しています。
大きな体を持ちながらも、他者と共有する優しさを持っていることで、見た目に惑わされず、心の内面を見ることの大切さを伝えます。
きつね
機知に富み、賢いきつねは、物語に活気をもたらします。
昔話や外国の物語にも、きつねは賢くて知的の位置付けで出てきますよね。
きつねから子どもたちは、賢さと機転を利かせることで、周りの人々との関係を豊かにする方法を学びます。
りす
最後に登場するりすは、小さな存在でも協力すれば大きなことを成し遂げられる、というメッセージを持っています。
10匹のりすは両手に抱えきれないほどの栗を持っていて、ろばが一人で拾ったどんぐりと大差ない量です。
たとえ体は小さくても皆で協力して生活していることが伺えますね。
絵本を通じた親子のコミュニケーション
「どうぞのいす」の読み聞かせは、親子の絆を深める貴重な時間です。
「〇〇ちゃんだったらどうする?」と質問しながら読んでみましょう。
子どもは自分の意見を伝える大切な時間になります。
我が家も会話をしながら読み聞かせをしますが、子どもの予想外の考えに驚いたり、学びが多いです。
この絵本は思いやりや共感する気持ちがわかりやすいので、コミュニケーションの手段としてぴったりだと思います。
まとめ
「どうぞのいす」は、単なる絵本を超えた教育的価値を持ち、子どもたちの心を育む素晴らしい作品です。
この絵本から学べる教訓は、子どもたちが社会で生きていく上で大切な基盤となります。
対象年齢を意識しつつ親子で一緒に読み、話し合うことで、その価値はさらに高まるでしょう。
この魅力的な絵本を通じて、子どもとの豊かな読書時間をお楽しみください。