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窓ぎわのトットちゃんなぜ売れたか|あらすじや感想【続編や映画化も】

窓ぎわのトットちゃんなぜ売れた
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はじめに

1981年に発売され、日本国内で800万部を超える売上を記録した黒柳徹子さんによる自伝的物語「窓ぎわのトットちゃん」。

自分が子どもの頃に読んだ方も多いはずです。

最近では映画化され、2023年12月6日より上映が開始されました。

CMでも多く宣伝されていますね。

この記事では、この感動的な物語のあらすじと、その背景にある教育の観点からの意義を深堀りします。

作者黒柳徹子さんの多彩な経歴|自伝的物語

作者の黒柳徹子さんは、1933年東京生まれの女優でタレントです。

彼女は「徹子の部屋」の司会者としても知られ、ユニセフ親善大使としても活動しています。

個性的な髪型や衣装で有名ですよね。

この豊かな経験が彼女の著作に深みを与えています。

「窓ぎわのトットちゃん」の魅力的なあらすじ

トットちゃんの物語は、彼女がトモエ学園に転校することから始まります

ここでは、教育の新しい形が提供され、トットちゃんは大きく成長しました。

トモエ学園の教育方針

トモエ学園は廃車になった電車の車両を教室に利用し、独特な教育環境で知られています。

ここでは子供たちの「やりたい!」という気持ちを大切にし、個々の興味や能力を探求させ、自信を育てることに焦点を当てています。

トットちゃんの成長|小林宗作校長との出会い

トモエ学園での経験は、トットちゃんにとって重要な成長の場となりました。

特に小林宗作校長との出会いは彼女に深い影響を与えています。

初めての出会いの場で小林校長は、トットちゃんと話すために4時間もの時間を割き、彼女の話をじっくりと聞きました。

この経験はトットちゃんにとって大人への信頼感を築く重要な瞬間であり、小林校長の深い思いやりと個々の生徒への尊重が感じられる部分です。

のちに小林校長はトットちゃんに「君は、とうは、いい子なんだよ」という言葉を掛けます。

この言葉はトットちゃんが生きていく上で、非常に強い自信になっています。

トモエ学園での体験

トットちゃんは様々なバックグラウンドを持つ子供たちとの出会いを通じて、多様性と受容の重要性を学びます。

また、校長先生の提案で毎日お昼に一人ずつが自分の意見をみんなの前で話す機会が与えられ、自分の意見を持つことの大切さを学びます。

自然との触れ合い

トモエ学園では、午前中の授業が早く終わった後はお散歩に行くことがあります。

自然の中で過ごし、子供たちは周囲の環境に興味を持ち始めます。

この経験は、単なる教科書の学びを超えた豊かな知識と創造性を育むのに役立ちます。

第二次世界大戦の影響|子どもたちの日常生活に潜む影

物語の背景には第二次世界大戦の影響が描かれており、トットちゃんと彼女の学校が直面する困難が当時の日本の社会的状況を反映しています​​​​。

幸せだった日常は、食べ物が少なくなり、身近な人たちも戦地へ出征することが増えてきました。

戦争がどんどん近づいてくる様子が描かれています。

戦争を知らない世代も「窓際のトットちゃん」を読むことによって、当時の生活を知ることができます。

「窓ぎわのトットちゃん」の対象年齢

本には対象年齢は「小学校中学年から」と記載があります。

全ての漢字にルビがふってあるので、読みやすいです。

いわさきちひろさんの挿絵も物語に華を添えており、「窓際のトットちゃん」の世界観を形作っています。

筆者は子どもの頃に読みましたが、映画化や「続・窓ぎわのトットちゃん」の発売を知り、読み直しました。

大人になってから読むと、子どもの頃とは違う視点で理解できました。

昔読んだことのある人は、再度読んでみることをおすすめします。

「窓ぎわのトットちゃんなぜ売れたのか|ベストセラーの秘密

「窓ぎわのトットちゃん」が広く愛された理由は、読者に直接語りかける黒柳徹子さんの暖かく親しみやすい文体にあります。

加えて、この作品は教育に関して新しい視点を提供しています。

トモエ学園の教育方針は、子どもたちの自主性を尊重し、創造性を育むことに重点を置いています。

当時としては非常に先進的でしたが、今日においても重要な視点となっています。

物語は愛や友情といった普遍的なテーマを扱い、読者の心に深く響きます。

特に、トットちゃんの純粋で率直な感情表現は、年齢を問わず多くの人々に共感を呼びます。

歴史的背景もこの物語の重要な要素です。

第二次世界大戦という時代が物語に深みを与え、教育や子どもの生活がどのように影響を受けたかを描いています。

また、物語は多様な解釈を可能にし、読者一人ひとりが自分自身の視点から物語を楽しむことができます。

この多角的なアプローチは、物語の魅力をさらに高め、さまざまな背景を持つ読者にアピールします。

窓ぎわのトットちゃん」アニメ映画化

全世界で累計2500万部以上売れ、20以上の言語に翻訳されたこのベストセラーが、初めてアニメーション映画として制作されました。

映画は1940年代の日本の風景を美しく描いており、その独特な絵のタッチが特に魅力的です。

2023年12月8日から全国東宝系でロードショーが始まりました。

お得に映画を観るならアソビュー!ユナイテッドシネマの映画鑑賞券の割引あり!

「続 窓ぎわのトットちゃん」続編が発売

2023年10月3日に「続 窓ぎわのトットちゃん」が発売されました。

「窓ぎわのトットちゃん」の続きの話です。

戦争により疎開した先での出来事や家族が離れ離れになった話など、戦争の過酷さが本を読むとわかります。

戦争を知らない世代は特に読んでみることをおすすめします。

今回もいわさきちひろさんの挿絵で、物語の世界観が前作から続いています。

結論

「窓ぎわのトットちゃん」は、子供の発達と教育について独自の洞察を提供する貴重な作品です。

トットちゃんのお転婆な面や、何事にも一生懸命な面、他者を思いやる気持ち、生きていく上で大切なものを思い出します。

また、子育て中の方はトモエ学園の教育法から学ぶものは大きいと思います。

子どもの個性を活かして、その子が自分の好きなことを伸ばせるような環境を作ってあげたいと筆者は思いました。

子どもの頃「窓ぎわのトットちゃん」を読んだ方、初めて興味を持った方もトットちゃんから得られるものは大きいと思います。